台風19号被害の検証を!

10月12日(土)に上陸した台風19号が猛威をふるい、川崎市内でも被害が拡大しました。
被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

大型の台風に備えるようにと何日も前からニュース等で警告されていましたが、各地で甚大な被害が発生しています。

川崎市高津区では12日午前10時に浸水想定区域に「避難勧告」が出されました。高津区内には土のうステーションが3カ所設置されていますが、事前に機能したのかどうか検証が必要です。

情報を得にくい方や移動が困難な方に対しての災害救助対策が不十分であることを認識し、ご近所同士がお互いに声をかけあうことの重要性を改めて感じさせられました。

多摩川沿いが浸水

台風19号による主な被害は「浸水被害」でした。

高津区溝口6丁目では、マンション1階に住む60代男性1人が亡くなるという浸水被害が起きてしまいました。尊い命が犠牲となったこのマンションは1階が水没したそうです。原因の一つとして、増水した多摩川の水位が上昇したため、支流の平瀬川の水が行き場を失う「バックウォーター」と呼ばれる現象が起き、平瀬川からあふれた大量の水が住宅地に流れ込んだ可能性が高いとしています。この地域はもともと土地が低く、水がたまりやすいところで、今回の台風でもポンプでの排水は続けていたということですが、川の水があふれ、追いつかなかったということです。

10月13日(日)、前日から一変して晴天。下野毛3丁目では、水はもう引いていましたが、住民の皆さんは家具を道路に出して家の中の泥を落とす作業に追われていました。前日18時頃からの停電で一夜を過ごし、冷蔵庫の食品腐敗や携帯電話の充電切れの不安を募らせていましたが、正午に復旧してホッとしました。それにしても家屋が泥水に浸かった状態というのは無惨で、車も浸水してエンジンがかからない等、落胆はいかほどかと心が痛みました。浸水被害の復興は長期戦となるので、体調に配慮していただきたいと思いました。この地域は多摩川から少し離れていることもあって、住民は「浸水を予期していなかった」とのこと。この地区の浸水の原因として、多摩川の水位が上昇して側溝や排水路に水が逆流することで起こる「内水氾濫」と見られています。

10月18日(金)、浸水から6日目。北見方のマンションでは、地下駐車場に貯まった水をポンプで吸い上げる作業が続けられていました。電気系統が浸水したために、停電は解消したもののエレベーターは使えず、断水も続いていて生活に支障をきたしているとのこと。中庭の公園にある水道からペットボトルに水を汲んでリュックを背負って運ぶ姿がありました。諏訪、瀬田地域でも、浸水した家具が道路に山積みにされていました。

今回の台風被害をしっかり検証し、今後さらに大きくなるであろう自然災害への対策を市民から提案していきます。

川崎市の対応

※高津区の情報をピックアップしています。

■罹災証明書申請窓口

10月17日(木)から設置。
窓  口 高津区役所5階

受付時間 平日 午前8時30分~午後5時15分まで

問合せ先 高津区役所危機管理担当 044-861-3146

 

■建物被害認定調査の先行実施

10月17日(木)から、中原・高津・多摩区の浸水被害が集中した地区について、罹災証明書を発行する際の建物被害認定調査を、住民の申請を待たずに先行実施します。市職員が1軒ずつ巡回し、その場で申請書も受理。ワンストップで迅速な発行につなげます。

 

「建物被害認定調査の先行実施区域」:宇奈根(の一部地域)、久地2丁目(同)、溝口6丁目(同)、二子1丁目(同)、瀬田(同)、諏訪1丁目・2丁目(同)、北見方2丁目(同)、下野毛3丁目(同)

 

実施期間 10月17日(木)から10月27日(日)実施します。

問合せ先 みぞのくち市税事務所資産税課 044-820-6565

 

■見舞金

給  付 (例)床上浸水 2人以上の世帯:10,000円、単身世帯:5,000円

問合せ先 高津区地域ケア推進課 044-861-3302

 

■川崎市災害ボランティアセンター

10月16日(水)から設置。
川崎市総合福祉センター5階 ボランティア交流室(エポック中原の5階)

電  話 080-5799-5984

受付時間 9:00~16:00
支援内容 個人家屋の片付け、泥出し、清掃など

派遣要請は、080-9537-1546

 

■水害時の衛生対策と消毒方法について

床上浸水の被害を受けられた市民の方々に対し、消毒の助言・支援を実施しております。家屋が浸水した場合は、細菌やカビが繁殖しやすくなり、感染症にかかるおそれがあるため、洗浄や消毒が必要になることがあります。

消毒に関する相談・問合せ先 高津区役所衛生課 044-861-3321

http://www.city.kawasaki.jp/350/page/0000111412.html

 

■災害ごみ

災害ごみについては、処理困難物も含め無料回収する。

宮前生活環境事業所に事前に連絡する。044-866-9131

 

■民有地内 土砂等の回収
10月17日(木)から
回収方法 土のう袋や、水切れの良い丈夫な袋等に入れて、自宅前に通行の支障とならないよう、まとめて置いてください。
問合せ先 高津区役所道路公園センター 044-833-1221

 

■市営住宅の提供

一時避難の必要な被災者を受け入れる。

問い合わせ 市営住宅管理課 044-200-2948

 

■経営相談窓口

浸水被害などを受けた市内中小企業を対象に「特別経営相談窓口」を設け、融資や経営に関する相談を受け付けている。
問い合わせ 市金融課 044-544-1846

 

(加藤伸子)