若者をとりまく雇用状況と就労支援

 
 3月4日、神奈川ネットワーク運動「定期総会」の第1部で、【若者の労働実態と求められる支援・政策】と題し、NPO法人POSSEの三家本里実さんからお話を伺いました。

 POSSEがハローワーク前で失業者約450人にアンケート調査をおこなった結果、7割が「自己都合退職」で離職しており、“いまどきの人は我慢が足りない”と読めるかもしれませんが、労働相談に24時間365日対応しているPOSSEの分析は違います。 月100時間を超える残業を強いられ長時間労働による体調不良と残業代不払いのケースや、上司からのパワーハラスメントをうけ執拗な退職勧奨によってウツ病を発症したうえ辞表を強要されるケースなど、「職場の違法状態」が蔓延していて、雇用される環境が劣悪化しているととらえています。このような場合、労働組合(ユニオン)に加入するなどして集団でブラック企業と交渉することが必要とのことでした。
 日本では高度成長を前提とした経済優先の雇用政策がとられてきたため「過労死」問題などもなおざりで、就労先が見つけにくい昨今は「労働条件が悪い」・「賃金が少ない」仕事にも飛びつかざるを得ない「半失業」問題が起きていると指摘されました。
 そして、仙台市での日常型支援の活動を通して、NPOや協同組合のような「中間市場」における就労が必要であり、こうした働き方でも安心して生活できる「福祉の確立」を提案していきたいとのことでした。

 神奈川ネット・川崎ブロックでも、就労に困難をかかえている若者たちが置かれている社会情勢の課題をとらえ、政策提案につなげていきます。

(高津Weネット・加藤伸子)