遺伝子組み換え作物の危険性

 ドキュメンタリー映画『世界が食べられなくなる日』(2012年フランス作品、原題はTous cobayes?みんな実験台?)を観ました。かわさき生活クラブ生協環境映画祭実行委員会が主催、神奈川ネットワーク運動川崎ブロック協議会は協賛団体。
 生活クラブ生協は徹底してNON-GMO(非遺伝子組み換え)にこだわってきましたが、その理由は、この映画を見ればよくわかります。

 世界中に広まった遺伝子組み換え作物は、アメリカのモンサント社(グローバル種子企業)が食物を独裁的にコントロールするために開発したものと言えます。セラリーニ教授が極秘で2年間かけておこなった大規模実験の結果、GM作物を与えたラットは次々と腫瘍が大きくなっていき、特にメスは乳腺の腫瘍が多く、巨大化した腫瘍が映し出されていました。モンサント社は3か月間しか実験をしていないのに「問題ない」としているそうで、これは真実を隠していると言えます。

 モンサントの農薬ラウンドアップと、ラウンドアップに耐性を有する遺伝子組み換え作物の種子(ダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ等)をセットで販売することで、一度モンサントの農薬と種子を使用した農家はモンサントに依存せざるを得なくなるという構図になっています。また、遺伝子組み換え作物を受け入れている港の作業員が、大量の農薬ラウンドアップを吸って癌を患う人が増えているという報告もあります。

 分子生物学者であるセラリーニ教授は映画の冒頭で「20世紀に世界を激変させたテクノロジーが二つあります。核エネルギーと遺伝子組み換え技術です。これらは密接に関係しています。米国エネルギー省は原爆につぎ込んだ金と技術者を使って、ヒトゲノムの解析を始めました。そこから遺伝子組み換え技術が誕生しました」と語っていました。

 GM作物の人体への悪影響は計り知れません。日本でも、醤油の原料の輸入ダイズはほとんどがGM作物であると思われますし、家畜の餌もGM作物の輸入トウモロコシに頼っています。(生活クラブ生協はGM作物を使用していません。)食べものについても「真実」を知ることが大切です。

 

(高津Weネット運営委員 加藤伸子)