秘密戦・謀略戦に関する研究、開発を担っていた「登戸研究所」、正式名称「陸軍第9技術研究所」では、中国の経済を混乱させることを目的とした偽札作りの研究、製造や、生物化学兵器や枯れ葉剤、毒物等の開発、風船爆弾の製造などが行われていました。
ここは、日本の戦争加害者としての実態や歴史を知ることのできる貴重な施設ですが、当時の姿を残す木造建物は、大学の新校舎建設のため、撤去されることが決まっています。
戦争の記憶を後世に向けて生々しいままにとどめるために、この貴重な戦争遺跡の保存を求める動きが、市民の間からも広がっています。
原爆や沖縄戦など、被害者としての日本のことは知っていても、加害者としての負の歴史は、知る機会が限られているようにも思います。
ひとりでも多くの人に足を運んでもらい、戦争の裏側の真実を見て知り、平和について考えるための第一歩とするために、市民発の平和教育とも言えるこの動きを、地域の人たちと一緒に、広げてゆきたいと思います。(小西)