子どもの学ぶ権利・自分らしく生きる権利を守る-ヤングケアラーの現状と支援の充実を-

ヤングケアラーとは、本来大人が担うような家事や家族の世話、介護を日常的に行っている18歳未満の子どものことです。神奈川ネットワーク運動では2020年度に行われた文部科学省と厚生労働省の「ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクト」によるヤングケアラーに関する学校への調査に注目をしてきました。その報告書によると、調査した中学2年生では17人に1人、高校2年生では24人に1人という驚くべき結果でした。宿題や勉強をする時間や自分の時間がとれない子どもは3割を超え、友だちと遊ぶことができない、睡眠時間がとれない子どもも1割程度おり毎日、1日7時間以上世話や介護に費やしています。ヤングケアラーであると自覚している子どもは約2%程で、ヤングケアラーという言葉を聞いたことがない子どもは8割を超えていました。日常的に家族の世話や介護を行っている子どもたちがいることに、学校や周りの大人が気づくべきです。
埼玉県では、ケアラー、ヤングケアラー支援への理解を深め、ケアラーが孤立しないよう社会全体で支えていくために「ケアラー支援条例」が2020年3月に制定されました。中学生・高校生向けには、「ヤングケアラーハンドブック」が作成されており、ヤングケアラーの理解、周囲の大人に相談してみようなど、わかりやすくまとめられています。川崎市では子どもの権利条例ができて20年がたちました。子どもたちの学ぶ権利、自分らしく生きる権利は守るべきであると改めて考えます。
神奈川ネットワーク運動ではヤングケアラーの相談を受け付け、支援に向けて課題を抽出していきます。 (三浦)