【地域グループ訪問記9】「NPO法人 子ども未来じゅく」

川崎市初!NPO法人運営の認可保育園が誕生しました!

「川崎市初!NPO法人運営の認可保育園が誕生しました!」
高津区内で子育て支援の活動を展開している非営利団体に調査をした中の、
「NPO法人 子ども未来じゅく」川崎理事の佐藤洋子さんのインタビューを紹介いたします。
http://blogs.yahoo.co.jp/konohana_takatsu/MYBLOG/guest.html

★川崎に「このはな保育園」が開園するまでの経緯を教えてください。

2007年10月5日に、川崎市が保育園の待機児童解消策の「保育緊急五ヵ年計画」を発表。
市民の力を結集してこの事業に参加しよう!と市民が立ち上がり、色々な方々の協力で候補となる部屋が奇跡的に見付かり、厚木で既に展開中の「NPO法人こども未来じゅく」の協力を得て、申請までこぎつけらました。
蓋を開けてみたら、市内で誕生した小規模認可保育所10箇所のうち、株式会社以外は私たち一件だけでした。
決定までも信じられないスケジュールでしたが、決定後、設計・スタッフ決定・業者決定・施工・・・驚くほどの動き方を要求されました。その中でも、市民で作るコンセプトは忘れず、例えば、地域での働き場となるよう、まずはスタッフを地域に呼びかけて、求人活動を始めたりしました。
そして無事、川崎市初!!市民がつくり、運営するNPO法人による川崎市認可保育所が、2008年4月1日に開園しました。
このはな保育園ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/konohana_takatsu/MYBLOG/guest.html

★これまでの苦労は?

やはり「人・金・物」の3つがポイント!
それを、市の条件に満たすことですね。
まずは申請までの準備で、認可保育所が出店できる部屋を見付けるのが予想外に大変でした。
それも含め、スケジュールのタイトさですね。
でも申請に必要な法人の実績や資産は、先輩NPO法人である「子ども未来じゅく」が、こうして市民活動を拡大してくためにいつでも使えるよう蓄えた市民資本があったので、クリアできたのでした。
そして開設に必要な資金はもちろん市民資本を、川崎独自で準備しました。
行政主導によるまちづくりから市民によるまちづくりへと働きかけるために、税金に頼らず市民の力を見せよう!と呼びかけた結果、多数の方々から会費・寄付・借入金への協力や参加がありました。
「このはな保育園」の存在やコンセプトに賛同した市民がこれだけ多いのか!と、改めて市民のネットワーク力の素晴らしさを確認しました。
「あったらいいな」と思うものは、自分達の力で作れるんですね。

★開園してから改めて気付いたことは?

毎日のお散歩や安全な食事作りなど、子どもの心身健全な育ちや、地域との交流・・・
当たり前なこれらのことを、営利に重きを置かずに運営できるのは、やはり非営利の法人だからこそだと思いました。
改めて「このはな保育園」の存在意義を確信し、地域の人が身近に感じてくださるような地域密着型の保育園を目指して、日々活動しています。
こうした会を開催する保育園は珍しいかもしれませんが、地域の方々やそれまでお世話になった方々をお招きして、5月に「オープニングセレモニー」を開催しました。
お陰様で地域の方々への認知も拡がり、開催した手応えを感じています。
何より、日々の園の運営を通して、市のしくみなどに潜む課題を、たくさん見出しています。

★今後について

地域の圧倒的ニーズに押されて、法人の事業として一時保育を開始しています。今のところは、主に今の市の保育制度で支援されていない週3日以内の就労を支える一時保育の実施です。
また、特別講師として地域のNPO法人をお招きすると共に、活動連携を始めました。
他にもいよいよ法人事業が動き出しました。今後は子育てサロンなどを定期開催して、非就労の母親のニーズにも応えて、地域で子どもを育てることを応援したいと考えています。
また、厚木で培ったノウハウと地域力を川崎でも開花させて、例えば卒園した子どもたちの学童形式の生活塾を開いたりなど、多様な活動に拡がっていって欲しいと思います。
「このはな保育園」がモデルとなり、地域密着型・子ども本意型のNPO法人運営による小規模認可保育所が、川崎(もちろんそれ以外の地域にも)にもっと増えていって欲しいと願っています。
そのためには、一番大切なのは、「人」。
市民一人ひとりの熱意です!

★皆さんへメッセージを・・・
都市部ではマンション化が進み、地域での住民同士の繋がりが薄くなりました。
育児を母親ひとりに背負わせずに、子ども達は身近な地域で大人たちに見守られて成長することが必要だと思います。
子どもの幸せは、社会の幸せ。
「子どもがいないから/働く予定がないから/子どもがもう大きいから・・・、私には保育園は関係ない」
ではなく、社会の将来=子どもを地域みんなで育てて行こう!という気持ち。
そして、その可能性を自分たちの手で生み出して行こう!という気持ち。
「このはな保育園」「子ども未来じゅく」が、そうした皆さんの応援を受けて、地域での子育ち・子育て応援の拠点=地域皆さんの活動の拠点へと発展していけるよう、大勢の市民に見守って・育てていただけることを、心より願っています。