東芝の実験炉 県がストレステスト

県庁の会議室にて。 危機管理対策課の担当者から説明をうけるが・・・話しが遠い。
県庁の会議室にて。 危機管理対策課の担当者から説明をうけるが・・・話しが遠い。
 12月5日、神奈川ネット若林県議と、川崎・横須賀のメンバーで、県の危機管理対策課にヒアリング(聞き取り)をしました。

 ストレステストは、設計上の想定を超える自然現象(地震、津波)が発生した場合に安全上の余裕(安全裕度)がどの程度あるかを評価するものです。国は「発電用原子炉施設」に加え、11月25日には「核燃料サイクル施設」もストレステストの対象にしました。ここには、核燃料加工施設である横須賀の㈱グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(GNF-J)も含まれます。

県、独自のストレステストとは? 
 再稼動問題で注目された川崎の㈱東芝・原子力技術研究所について、県は、国のストレステストに準じた方策を独自で考えているとのことです。しかし、ストレステストは事業者が自ら行なう評価であり、採点基準もなく、国も県も立ちあわない。これでは信憑性のある「評価」になるのか疑問です。担当者の話では専門的すぎて理解するには難しいらしい。県民が見てもわからないような「評価」では、安心も信頼も得られません。「評価」したから安心よ、というアリバイ作りで終わらせるわけにいきません。課題がたくさん見えてきました。

公開できない「関係機関連絡会」
 福島原発の事故を受け、県は「原子力災害対策関係機関連絡会」を設置し、「有識者会議」も行ない、県外で大規模な原子力災害が起きた場合に対処できるよう、検討を進めています。しかし、テロを想定しているなどの理由で内容を非公開にしています。年度末に示すとのこと。県民不在で進められます・・・しっかりと検討していただきたいです。

津波、液状化は大丈夫? 
 浮島にある東芝も、横須賀のGNF-Jも、海に近く地盤がゆるい場所にあります。その辺について聞いたところ、三浦半島断層群地震の津波が1.5m(想定)なので、GNF-Jは最大浸水で15cm、東芝は床面が3m高いので浸水しない、液状化も範囲に入っていない、との説明でした。

横須賀のGNF-Jは波乱含み 
 ストレステストは「施設」の評価であり、「核輸送」はカヤの外です。高速道路を使って輸送される核燃料についてもストレステストを行なうべきであることを指摘しました。GNF-Jの問題は横須賀だけでなく広域の自治体に関わることです。県主導でしっかりと危機管理対策を早急にすすめてほしいです。

(高津Weネット・加藤伸子)

津波の根拠:神奈川県地域防災計画第1章の13ページ