大震災に備え、高津区の防災計画は?
東日本大震災から1年半が経ちました。
もし川崎市域で都市型大震災が起きれば、公助もパニック状態になり、救急車・消防車もすぐには来ないし、避難所以外は食糧・給水も来ません。私たちが住む高津区(人口約22万人)では、急傾斜地崩壊危険区域も多く、区の特性に沿った防災計画になっているのかどうか、たいへん気になるところです。
9月13日、高津区役所の危機管理担当にヒヤリング(聞き取り)をしました。
高津区地域防災計画(平成19年作成)の見直しは来年9月以降になります。
津波溯上は想定に入っていない
広域避難場所にもなっている「多摩川河川敷」に津波が溯上しないのか、コンビナート火災が溯上しないのかを聞いたところ、「高津区は津波の被害は想定に入っていない」とのこと。ただし、相模トラフ3連動はまだ想定に入っていないので、川崎市が見直し、2期修正は来年9月に公表するそうです。
1年以内に「想定外」が起きないことを祈ります…。
給水車は、3区に5台しかない
応急給水拠点は17個所まで増え、夜間の震災も想定しているとのことですが、拠点まで取りに行けない人は?と聞くと、「助け合いでやるしかない」との答えでした。そして給水車は、高津と2区で5台しかないため「巡回を待つしかない」、「飲料水は3日分の備蓄をお願いしている」とのこと。やはり自助・共助で生き延びるしかないようです…。
避難所は、全壊か半焼の人が対象
6月に開した 防災講座 で講師の方から「川崎市は全壊か半焼の人が対象」とお聞きしたので、避難所の対象者を確認しました。やはり「避難所(学校)は狭いので全壊か半焼の人が対象となる」ということでした。一般的に被災したらまずは避難所へ逃げればいいと思っているんじゃないでしょうか?
担当の3人の方へは、「全壊か半焼の人が対象という危機感をぜひ周知して欲しい!」と伝えました。
また、行政としては、町内会・自治会の「自主防災組織」に期待を寄せているというお話しでした。町会や民生委員さんを頼らざるを得ないのだと思います。
川崎市は、「公助」だけでは市民の命を守れないと判断しているのです。そのわりには防災パンフレット「備える。かわさき」を読んでも危機意識を想起するような印象を受けないのは私だけではないと思います。「発災直後は、自助と共助で何とか生き延びていくんだ!」という認識をもち、「助け合い」の仕組みを急いで作っていかなければなりません。
(高津Weネット 加藤伸子)
詳しい内容はこちらをご覧ください → 2012.09.13.高津区危機管理担当 ヒヤリング