種苗法改定とこれからの食と農

かわさき生活クラブ生協と神奈川ネットワー運動 川崎ックの共催で 種苗法改正が私たちの暮らしにどのような影響を及ぼすのか、守るすべはあるのかについて、元農林水産大臣の山田正彦さんを講師に招き、また川崎で農業を営んでいる吉岡照充さんにも参加して頂き、学習会を開催しました。
 農水省は今回の改正は登録品種(国に登録された品種)を保護するものとし、登録品種は10%にも満たないので農家にほとんど影響はないと言っていますが、 2015年の農水省の調査では52. 2%の農家が登録品種を栽培していることが明らかになっています。また品種の開発者の権利を守るために自家増殖に許諾が必要になり、農家は多額の許諾料を支払うか、高騰する種子を毎年購入することになります。これまでの登録品種は各都道府県の税金で開発された公共のものです。先に成立した農業競争力強化支援法により民間企業に国、都道府県の育成権利者の知的財産権を譲渡しなければならなくなっているそうです。
 ゲノム編集食品が市場に出始め、2023年からはNON – GMOの表示も変わります。多国籍企業の莫大な利益のために、私たちの食と農が既にコントロールされていることに改めて危機を感じました。吉岡さんからも金もうけで種をつくるようになっている、種にお金がかかるようになると怖い。食料自給率が非常に低いことに触れ、国内農業を支援する予算の使い方に疑問を呈しました。
対抗措置として、地方自治体で育種権利者の知的財産権を守る条例や登録品種は自由に自家増殖できる条例の制定などが挙げられました。地域の食と農を守る活動をこれからも共に進めていきます